歯周組織再生療法~エムドゲイン法~

当院では、エムドゲイン法という歯周組織再生療法を取り入れています。
3歳以上の犬の約8割が歯周病といわれており、歯の病気は犬・猫を飼われている方の大きなお悩みの1つになっています。歯周病になってしまうと、細菌により歯槽骨や顎骨が破壊されて歯を固定する力が弱くなり、歯が自然とぐらつき抜け落ちてしまいます。

歯周病治療として細菌を歯周ポケットから除去することにより、歯周組織の健康は一時的に取り戻せますが、一度失われてしまった歯周組織は自然には元の状態へ戻ることはありません。
しかし、歯周組織の破壊の程度が局所にとどまっている段階であれば、歯周組織を再生させることにより歯を残すことが期待できます。

エムドゲイン法とは?

エムドゲイン法は、歯周組織再生療法の1つの方法で、歯根にゲル状の薬剤を塗ることで歯周組織の再生を促します。歯周病であっても、「少しでもこの子の歯を残してあげたい」という飼い主様のご希望に沿える治療法です。 歯周病によって破壊されてしまった歯槽骨などを、EMP(エナメルマトリックス蛋白)という歯周組織再生用材料(エムドゲインゲル)を用いて再生を促します。エムドゲインゲルの主成分(エナメルマトリックス蛋白)は若齢期に歯が生え始める際に重要な働きをする蛋白の一種です。
エムドゲインは、人の歯科では世界中で使用されている再生療法です。しかし、動物の歯科ではまだエムドゲイン法を取り入れている病院が少ないのが現状です。
図を用いて方法をご説明します。

図1

図2 歯肉の切開

図3 歯肉の剥離
歯周組織の骨が溶けて欠損しています

図4 欠損している歯周組織の骨にエムドゲインゲルを塗布します

図5 縫合をして処置終了です

エムドゲインゲルの使用により100%正常な歯周組織の再生が期待できるものではありませんが、犬猫での治療成績も報告されています。

このエムドゲイン法に関しての、ご質問等ございましたら、当院まで気軽にご連絡いただければと思います。

相模大野プリモ動物病院
TEL:042-703-5521